「ひらがなを絵かき歌にできないかなぁ」あかね書房の編集者、
加藤さんが無茶なことを言いました。
私はひらがなの形をほかの物に見立てればできるかな?と思い、
口からでまかせに言ってみました。
私 「い→いぬがうんちをいっぽんしたよ まだまだでたよ もういっぽん」
加藤「そう、それ!それ!」
私 「け→けがぬけた ピンでとめてもけがぬけた」
加藤「もー最高!哀愁さえ漂ってるよ」
大ウケしている加藤さんを見て、こんなふざけたものでいいなら、
なんとかなりそうな気がしてきました。( 下へ続く↓)
” ひらがなの歴史 ”に名を残す!?
えかきうたであいうえお 大沢幸子
(あかね書房)
3.さがし絵 (本文P30より〜)
この絵の中の「ろ、わ、を」のつく
言葉探しましょう
(こたえ)ろば、わんこそば、わっか、わさび、「額の中の「わ」
2,えかきうた(本文P26より〜)
おもしろい絵が描ける遊び歌つき
1.文字のえかきうた
書き順が正しく覚えられる文字のえかきうた
★ 絵かきうた以外にも
いろんな遊び方ができま〜す!
ところが考えはじめてみると、「ぬ、ね、わ、を」などの形が複雑な文字は、
何かの形に見立てることが難しいし、絵の見せ方も「いぬのうんち」を
一本並べて描いたって、「い」だとはすぐにわかりません。
だからと言って絵の上に「い」の字をのせてしまったのでは、
見づらくなってしまいます。
毎日「いぬのうんち」と真剣に格闘しているあたしって馬鹿ね...と
うんざりしながらも、いやいやこれは、平安時代からの”ひらがなの歴史”に
名を残す仕事になるかもしれないんだ。
『2010年 大沢幸子により。ひらがなの絵かきうたがつくられる』
なんてね。歴史の教科書に載っちゃったりしてね...と、自分を励ましました。
じたばたしながらも、根気づよくひねくり回してるうちに、
なんとかひらがな46文字の絵かきうたが誕生しました。
この絵かき歌どおりに字を描いていくと、正しい書き順で字が覚えられます。
でも、お勉強としてやるのでは楽しくありません。
本来、絵かき歌は自由でおおらかなもの。
ひらがなの絵かきうたを通して、絵を描くことの喜びや、想像することの楽しさ、言葉のリズムの心地よさを感じ取ってもらえたらなと思います。
「つ」っていう字は、つるっぱげおやじの後ろ頭に似ていますよね?
だから「つ→つるっとひかる つるっぱげ」
この本をかこんで、ご家族のみなさんでわいわい盛り上がってください!
こどもの本2011年7月号 (日本児童図書出版協会)「私の新刊」より 大沢幸子(おおさわさちこ)